無論、看護学校に通えば、医療のすべてが理解できるわけではなく、看護学校で習うことはごく基本的なことのみに留まります。国家試験でも、それほど難しいことを聞かれることは少ないのです。基本的なことが最低限理解できているかを試すのが国家試験ですから、それ以上のことについては試験に合格した後に勉強していかなければなりません。実際に病院勤務を始めると、新しい知識をいくつも吸収できます。新人のうちは新しいことを覚えるだけでも精一杯になるのが当たり前であり、特に診療科目ごとに異なった専門知識が必要になる点が大変です。その診療科目でしか登場しない医療用語も少なくないですし、時には聞き慣れない言葉も覚えなければなりません。今まで自分が勉強をしてきたこととは直接関係がなく、したがって勉強も大変になるケースが多いため現状に悩む看護師も多いです。ただ、看護師として働き続けていれば、そうした専門知識は自然と頭に入ってきます。よく習うより慣れろと言われるように、看護師の現場でも毎日しっかりと仕事をしていれば、数年後には一人前になれることでしょう。「しっかり仕事をしていれば」といっても、過剰なほどに心配する必要はありません。看護学校は三年と時間が決まっていて、それまでに国家試験にパスする能力を身に付けなければなりませんでしたが、現場に出てからはタイムリミットはありません。10年、20年とずっと勉強を続けていくことになると考えていれば焦る必要はないでしょう。